「音楽的に」ってどういうこと?!
レッスンを受けていると、
「このフレーズはもう少し音楽的に弾いて」とか、
「音楽的に!意識して歌ってね!」とか、
先生に言われることはありませんか?
(そんなこと言われても、音楽を演奏してるんだから、音楽的じゃないのか〜?!)
なんて、思ってしまう人もいそうなこのセリフ。
「音楽的に」。
抽象的ですが、とてもよく使う言葉です。
今日はどうしたら「音楽的な」、演奏をすることができるか考えてみましょう!
音楽的に弾く!
その①メロディーを歌おう!
まず第一に、人がピアノを弾く、楽器を弾くときには、
「指を動かして正しい音を出す」ことに注意が行きがちです。
もちろん正しい指遣いや位置関係で正しい音を出すことは大切ですが、
それだけでは機械の演奏と変わらなくなってしまいますよね。
人が演奏することによって、感情やフレーズに合わせて抑揚のついた音が出せるのです。
それには、まず演奏している曲のメロディーを歌いながら演奏してみてください。
「ら〜」でも「る〜」でもいいです。
いい声でなくたって大丈夫です。
この曲をどう歌いたいか、どう表現したいかを大切に、声に出して歌ってみてください。
そうすると、今まで切っていたフレーズの場所、盛り上がりの場所などが大きく変わってくるはずです。
曲全体の大きな流れが実感として意識できるようになりますよ♪
演奏するときも、歌を歌うように「息継ぎ」を大切にしてみてください。
「ピアノを弾きたかったら、もっと歌わなくてはならない」というのは、ピアノの詩人、ショパンの言葉だそうです☆
その②踊れるリズム感を持とう!
ポップスでもジャズでも、そしてもちろんクラシックでも、
素晴らしい演奏者はみんな「抜群のリズム感」を持っています。
よく言いがちなのは「日本人だからワルツが苦手だ」とか「黒人でないとこのノリは出せない」とか、、、
リズム感は生まれ持ったものに影響するのである、ということです。
もちろん、育った環境で耳にする音楽が変わるので、そういった違いはあるかもしれませんが、日本人だからワルツや後ノリができない、というのは違います。
また、リズム感とはそういった一部の踊りの曲だけでなく、
どのような曲の中でも、音楽が続いている限り、自分の中に常にリズムが刻まれていないといけません。
それは休符の取り方や音の入り方、フレーズの流れの中などに表れてきますし、演奏したその人にしか、絶対に出せないニュアンスなのです!
抜群のリズム感を持つには、まずたくさんのリズムの曲を聴くこと。
そしてその曲がどんな曲であっても、体全体を使って踊れるようになることです。
リズムにノッて踊る、というのはとても大切です。耳や頭や指だけでなく、体全体でリズムを感じていないと出せない大きな流れがあります。アクセントの位置も、今までときっと変わってくるはずです。
曲の「ノリ」を体で感じて演奏できるようになったら、「音楽的」な演奏に一歩近づけるでしょう♪
その③バランス感覚を身につけよう!
ピアノは右手と左手の両方で演奏します。 多くの曲は、伴奏とメロディーを一緒に弾いているものが多いのではないでしょうか。 高い音から低い音まで、伴奏もメロディーも、一人でオーケストラの音域の全てを網羅して弾けちゃうなんて、本当にすばらしい楽器ですよね♪ そこで、ピアノの演奏が心地よく聞こえる条件に「音のバランス」というものがあります。
全ての音域、パートが網羅できるからこそ、
「今どこを聴かせたいのか」をしっかり考えて演奏しなくてはなりません。
せっかくキレイなメロディーなのに、左手の伴奏がうるさくて聴こえないー!となってしまったらもったいないですよね。
その逆も然り。
せっかく盛り上げて低音を弾いているのに、メロディーが小さかったら意味がありません。そのバランスこそ、自分の耳で聴いて作り出す、「音楽的なセンス」なのです。
ファッションも、恋愛も、駆け引きが大切と言います。ピアノも同じです。
よく神経を研ぎ澄まして、「音楽的な」バランス感覚を磨いてみてくださいね。
以上、「音楽的に」とは何かを検証してみました! みなさんも、機械では出せない、自分だけの「音楽的な」演奏を目指して、練習してみてくださいね♪