編曲家のプロが、スゴイ!と思う歌手【黒木渚】~前編~
渋谷/北千住のJOYミュージックスクールです!
こんにちは、楽曲制作コース/動画配信コース講師の想士です。
僕は普段の仕事ではジャズを中心としたインストゥルメンタルを取り扱っています。
でもプライベートではJPOPなんかもよく聴いています。演奏の方の仕事で取り扱うことも多いし。
特に最近は「ソロのシンガーソングライター」の曲を聴くことが多いです。
なぜソロシンガーなのか?それはアレンジが尊敬するプロのアレンジャーの手によって世に出ていることが多いからです。
僕は元々パンクバンドでドラマーをやっていたのでバンドの曲も大好きなのですが、
編曲の勉強という意味ではそういったの曲の方を聴くことが多くなってきました。
そんな感じで日々女性ソロシンガーの曲を聴いている僕がオススメする女性アーティストを紹介します。
その名は
黒木渚(クロキ ナギサ)さん
です。
初めてその名を聞いた方も多いかもしれません。
今回はそんな黒木渚さんの楽曲をモデルに凄さを解説していきます。
取り扱う楽曲は。。。。
骨 / 黒木渚 (2013年)
僕が黒木渚を知るきっかけになった曲です。
拍子は12/8だと思います。
なぜ断言しないかというと公式な楽譜が出版されていないからです。
人によっては6/8に感じるかもしれませんね。
まずは楽曲について。
この曲はGメジャーキーで出来ています。
コード進行は至ってシンプルにダイアトニックコードを使っていますが、特筆すべきはAメロのコード進行。
G C Bm C
D C Am7 D
となっています。
注目すべきは青く表示した部分。
Dは本来ドミナントコードなので、トニックであるGやBmやEmに繋がるべきですね。
しかしここではサブドミナントであるCのコードに行っています。
このようにドミナントコードから(本来は行かない)トニックコードに連結することを弱進行なんて言ったりします。
この弱進行がこの曲では度々使われており、聴き手は「なんか意表をつかれた」ような印象を受けますね。
これはメロディーラインが下降するのに合わせてコードも変えているだけなのですが、これが非常に面白い効果を出しています。
続いてBメロ...
Em D C G
(弱進行)
Am G/B C D
青く塗った部分は先ほど解説した弱進行ですね。
今回注目していただきたいのは緑で塗った部分です!
コードだけで言えばダイアトニックコードの連結ですが、着目したいのはベースライン。
A→B→C→D
と、キーの音階を順番になぞっていることがわかります。
ここはBメロなのでサビの直前ですね。
サビの直前にこのようなベースラインが入ると、「何かくる」切迫感を持ってサビに入れます。
Bメロにおいてはよくあるテクニックですが、ぜひ参考にしたいですね。
次回はこの曲の後半に関して解説していきます!
是非お付き合いください!
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